インクの入れ方とお手入れについて

インクの入れ方について


万年筆とは、デスクの上で、インク壺にペン先を入れて、ペン先についたインクで優雅にサインを書く…というようなものではなく、実は、ペンの中にインクを入れて、持ち運んで日常的にお使いいただくことができるものなんです。

ペンへのインクの入れ方は3種類。

①カートリッジ式 カートリッジを取り替えるだけ!初心者の方におすすめ

②コンバーター式 色んなインクを使いたい方におすすめ

③吸入式 インクを一度にたっぷり入れたい方におすすめ

それぞれに対応した万年筆があり、更にカートリッジにもコンバーターにも対応している「両用式」があります。

 

 

①カートリッジ式  カートリッジを取り替えるだけ!初心者の方におすすめ

カートリッジとは、インクがパックされた"替え芯"のようなもの。
カートリッジを万年筆に差し込むだけで、すぐに書けるようになります。
中のインクがなくなったら取り外し、新しいものを付けるだけなので、お手入れが簡単です。
初心者の方はカートリッジから始めるのがおすすめ。
この「カートリッジが使える万年筆」のことを「カートリッジ式」と呼びます。

【カートリッジインクの使い方】

①万年筆を分解します。

②ペン先を下にして、カートリッジをしっかり差し込みます。

③インクが通りにくい場合は、ペン先をティッシュに包んで軽く振ります。

④ペン先を上に向けた状態で、ティッシュにインクがつけばOK。

⑤インクが通ったら、軸を戻します。

⑥インクがペン先まで通り、書けるようになりました。

 

 

 

②コンバーター式 色んなインクを使いたい方におすすめ

コンバーターとは、万年筆に装着し、ペン先から注射器のようにインクを吸い上げられるようにするためのパーツのこと。パーツなので購入した段階では空です。
近年の万年筆インクは、色数が豊富で、各お店さんのこだわりのコンセプトや、メーカーさん毎のインクの書き心地など、多岐にわたって楽しめるものとなりました。
動画内のインクはブングボックスこだわりのインク「皇紫」。
こういった「ボトルインク」を楽しむためには、万年筆にインクを吸い上げるこの「コンバーター」が必要になります。
「コンバーターが使える万年筆」のことを「コンバーター式」と呼びます。

【コンバーターを利用したインク吸入方法】

①万年筆を分解します。

②コンバーターをしっかり挿し込みます。

③コンバーターの後端のつまみを回し、ピストンを下まで下ろします。

④インクボトルにペン先をつけます。空気が入ってしまうので、ペン先の根本までインクに浸かるくらいしっかり入れてください。

⑤つまみを反対に回して、インクを吸い上げます。これを何度か繰り返します。

⑥インク瓶から引き上げ、ティッシュでペン先をきれいにします。

⑦パーツを戻します。インクが出るようになりました。

 

 

 

③吸入式 インクを一度にたっぷり入れたい方におすすめ

「吸入式」とは、「万年筆本体にインクを入れる万年筆」のことです。
プラスするパーツはありません。ペン本体にコンバーターが内蔵されていると思ってください。
しょっちゅうインクを吸い上げなくても良いので、気軽にガシガシお使いいただけます。

【吸入式万年筆へのインクの入れ方】

 

①万年筆の後端のパーツを回し、ピストンを下まで下げます。

②インクボトルにペン先をつけます。空気が入ってしまうので、ペン先の銀色の部分がインクに浸かるくらいまでしっかり入れてください。

⑤つまみを反対に回して、インクを吸い上げます。終わりには、つまみはやさしく、最後まで回しきりましょう。※締めすぎるとねじきりが壊れて故障の原因になります

⑥インク瓶から引き上げ、ティッシュでペン先をきれいにします。

⑦インクが出るようになりました。

 

 

 

 

 

お手入れについて

万年筆内部にインクを入れたまま長期間放置すると故障の原因となります。
必ず万年筆内部の洗浄をしてから保管するようにしてください。
またインクの色や種類を変えたい場合も、万年筆内部の洗浄が必要になります。
同じインクを使い続ける場合にも、定期的な洗浄を推奨します。

特別な道具は不要です。水洗いできれいに洗ってあげてください。

 

【カートリッジ使用後の洗浄方法】

カートリッジは中のインクを使いきったら処分します。
続けて同じカートリッジを使用する場合は、新しいものに付け替えるだけでOKです。
長期間使用しないときに、または定期的なメンテナンスとして以下の洗浄を行ってください。

①カートリッジを外して、ペン先のパーツに水道水を流し入れて洗います。
 ペン先を下にして スポイトや注射器でもOK。

②汚れが強い場合は、水を張ったコップに一晩入れておきます。
※ペン先が傷付かないように、プラスチックのコップなどがおすすめです。また、モデルによっては浸水による形状変化、材質へのダメージがあるかもしれませんので注意の上行います。
ペン先からゆっくり入れます。ペンの先からインクが抜けていきます。

③ティッシュなどで水気をしっかり取り、よく乾かしてください。

 

 

【コンバーター式万年筆の洗浄】

①軸を外し、コンバーターは着けたまま、つまみを回してコップの水を吸い上げます
※しっかり洗浄したい場合には取り外しての洗浄もOKですが、着け外しの繰り返しで、装着部分が摩耗していきます。できるだけ着けたまま行うようにしましょう。

②吸い上げた水を捨てます。インクの色が出なくなるまで、これを繰り返します。

③汚れが強い場合は、コンバーターを外して、ペン先のパーツだけを、水を張ったコップに一晩入れておきます。

ペン先からゆっくり入れます。ペンの先からインクが抜けていきます。

④ティッシュなどで水気をしっかり取り、よく乾かしてください。

 

 

【吸入式万年筆の洗浄方法】

①尾栓を回し、ピストンを下まで下げ、中のインクを出しきります。

②尾栓を反対に回し、コップの水を吸い上げます。

軸全体を水につけてしまうと、隙間から内部に水が入ってしまいますので注意しましょう。

③吸い上げた水を捨てます。インクの色が出なくなるまで、これを繰り返します。

④汚れが強い場合は、ペン先が浸かるくらいまでコップに水を入れ、一晩入れておきます。

※モデルによっては浸水による形状変化、材質へのダメージがあるかもしれませんので注意の上行います。

⑤ティッシュなどで水気をしっかり取り、よく乾かしてください。